レスリー・チャン(張國榮、Leslie Cheung)
王家の肖像 > cast >仕事ではなく生活として演技をした希有な俳優。今でもファンを量産している。ウォン・カーウァイのファンとしても「あなたがいれば・・・」という気持ちが口から漏れる。
1956年9月12日に香港で生まれる。ATV主催の歌謡コンテストで優勝。吉川浩司「モニカ」のカバーをはじめヒット曲を量産し、アイドルスタートしてアラン・タムと人気を二分した。
映画デビューは78年、知る人ぞ知る『紅樓春上春』。これは、中国四大古典小説の一つ『紅楼夢』を元にしたエロティック・ドラマで、レスリーは宮廷で暮らす悪戯好きの王子様を演じた。以後、85年のウォン・カーウァイ脚本作『龍鳳智多星』、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(87)、『欲望の翼』(90)、『狼たちの絆』(91)などに出演したが、カナダへ演技の勉強しに留学するといって引退宣言。
復帰後は、93年にチェン・カイコー監督のもとで『覇王別姫』(さらば、わが愛-覇王別姫)に出演。女役としての京劇役者の伝記を演じ、その美貌は語り草となっている。90年代後半からは監督業への意欲も見せはじめ、96~97年のワールドツアーも大成功を収めるなど、留学後は本気度がパワーアップした。
ウォン・カーウァイ作品
ウォン・カーウァイ監督作品では、『欲望の翼』のヨディ、『楽園の瑕』の西毒(サイドゥ)、『ブエノスアイレス』のウィンといった水際立った役柄で、作品にダイナミズムを与えた。なお、『欲望の翼』では香港金像奨・主演男優賞を受賞。
ウォン・カーウァイ監督作品だけでなく、出演する全ての作品それぞれに独特の地場を作りだし、共演者を輝かせる力をもっていた。私は、21世紀のウォン・カーウァイ作品が、常に既に出演することのなくなってしまったという、この俳優の「不在」に影響され続けるのだろうと思っている。「あいつが、いない」という地点から映画を作りだすことに対してウォン・カーウァイがどこまで挑戦するのか、一人のレスリー・ファンとしても、ウォン・カーウァイの作品を見続けていきたい。
