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欲望の翼 - 短い時間と長い時間の交差

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『欲望の翼』はウォン・カーウァイの監督二作目にあたる映画で、邦題と英題が示すとおり、まるで鳥の翼のように、バタバタと人の欲望が舞っている様子が、とても野性的に描かれた作品である。しかも、飛行中に鳥がぶつかり合わないのと同じで、それぞれの欲望は交差することなく常にすれ違い続けている。

欲望の翼,時計映画は、東南アジアのジャングルが映し出された後、定職に就かずブラブラしている男ヨディ(レスリー・チャン)が、サッカー場の売店で働くスー・リーチェン(マギー・チャン)という女にナンパするところからはじまる。ヨディがスーを口説くセリフは「1分だけ一緒に時計を見つめよう」といったもので、男は時間の共有を女に強制させる。そうして幾日か過ぎた日に、スーはヨディに身体を預ける。時間を共有しようと誘うヨディの口説き方は、繰り返し映し出される時計の映像とともに、段階的な物語が展開されるのではないかと思わせるかのように、この作品に魔法をかける。

しかし実際は、ヨディが、スーとダンサーのミミ(カリーナ・ラウ)を二股にかけていて、恋の進行すらままならない状態が続く。そして、スーに惹かれるタイドや、ミミを気に入っているヨディの幼なじみは、ヨディの無鉄砲さに憧れる一方で好きな女に行動を取ることができないでいる。

繰り返し映し出される時計の他に、作品の中心となるヨディを阿飛というニックネームで「脚のない鳥」とみたてた暗示も粘っこい。「飛(飞)」とは飛んだり舞ったりする意味だけでなく、ずば抜けているとか意外であるといった意味ももっていて、ヨディと作品展開の両方を示唆していると思う。つまり、ヨディの行動だけでなく、場面展開も意外性があって面白い。



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