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恋する惑星(1994年)

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恋する惑星恋する惑星(1994年、香港)
原題:重慶森林/英題:Chungking Express © Jet Tone Production Ltd.

麻薬運び屋、二人の警官、ウェイトレスとスチュワーデス。狭く雑然とした重慶マンションとその周辺を舞台に5人がみせる束の間の恋。大きな物語を排除し、さまざまな笑いや切なさをワンシーンの威力に込めた新しいスタイルが楽しめる。

  • 金髪の鬘の女:ブリジット・リン(林青霞)
  • 警官223号(モウ) : カネシロ・タケシ(金城武)
  • 警官633号:トニー・レオン(梁朝偉)
  • フェイ(王靖雯) : フェイ・ウォン(王菲)
  • スチュワーデス:チャウ・カーリン(周嘉玲)

監督ウォン・カーウァイの傑作であると同時に、主演の一人フェイ・ウォンの出演した傑作でもある。

一つの大きな物語という図式を廃し、4人の男女を組み合わせ、短編ストーリー2つを少し混ぜつつ軽やかに展開させた「違和感」が抜群。

フェイ・ウォンのファンとしても存分に堪能できる作品で、彼女のけなげで天真爛漫な演技が今でも絶大な人気を呼んでいる。また、作品を駆け抜ける有名な2曲、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」、フェイ・ウォンの「夢中人」は、僕たちの「夢」と「夢中」とを交錯させる。

大まかな構成は、2つの恋物語。1つ目は、刑事の金城と、麻薬密売人の元締めブリジット。2つ目の恋物語は、ジュースやアイスを売っているお店のバイト、フェイと、恋人のスチュワーデスと別れた警官トニー。いずれの恋も、成就したともいえるし、失恋に終わったともいえる、何とでもいえるような、だから、せつないような。でも、ウォンの上手いところは、それを軽やかに、楽しい雰囲気にさせること。

中でも一番驚いたのが、ブリジット・リン。50歳前後の美人女優で、キャリアも充分。他の映画でもバンバン主役に付いていた彼女が、インド人数名に麻薬の密輸を指示する役をしています。といっても、女ボスではなくて、後ろの黒幕に彼女も操られているのです。そのブリジット・リンが、最初から最後まで、サングラスを付け続けています。つまり、映画だけでは、彼女だということが分からないんですね。

大女優の顔を見せないまま作品に仕上げるという荒技。ブリジットのキャリアを知れば知るほど、恐ろしい起用の仕方をウォンがやっているんだということが分かります。

映画の内容は、コミカルで、少しせつなかったり、『欲望の翼』や『今すぐ抱きしめたい』のマフィア的な暴力も描かれている都市恋愛、マンション恋愛のオムニバス。確かに、それまでのウォンの映画に比べて大人しくなったというのが印象ですが、しかし、ウォンの「暴力」は健在で、それがブリジットの起用に現れていたのだと、私は感じています。

それにしても、警官のトニー・レオンの部屋に無断で入って掃除をするフェイ・ウォンは可愛いです。トニーの前の彼女がスチュワーデスだというので、スッチーの制服を着てみたり、好きだったというCDを、密かに自分の好きなCDと入れ替えておいたり。もちろん、そのことに違和感を感じながらも気づかずにいるトニーも笑えました。

1度目は、ウォン・カーウァイの作品全てにいえることですが、原題どおり『重慶森林』というゴタゴタした印象。作品全体もそうだし、フェイ・ウォン自身の立ち居振る舞いもバタバタ。それに振り回されるトニー・レオンもスタスタ。ポップな映画だけど全体的なトーンは暗く、フェイ・ウォンも明暗入り混ぜた名演をしていることだけは理解できました。

※以上、姉妹サイト内(http://fayewong.tv/2/post_3.html)より引用

既に日本での上映権は切れており、DVDも製造中止に至っているとのこと(2006年初頭現在)。何らかの形で早めに入手されることをお勧めする。

  • 台湾金馬奨(1994年):主演男優賞(トニー・レオン)
  • 台湾電影奨(1994年):審査員特別賞
  • ストックホルム映画祭(1994年):国際批評家大賞、主演女優賞
  • 香港電影金像奨(1995年):作品賞、監督賞、主演男優賞(トニー・レオン)、編集賞


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