奪命佳人(1987年、香港)

原題:奪命佳人|英題:Lady In Black|監督:サン・チュン(孫仲)

出世欲に翻弄された哀れな夫と家族愛や子供への愛を信じ続けた妻との葛藤。ブリジット・リン演じる悲劇の妻のひるむことない子供への愛情が力強く描かれている。

キャスト

みどころ

ブリジット・リンレオン・カーファイが夫婦を主演で演じている。出世欲に取り憑かれ会社での人間関係にばかりこだわる夫が、そのだらしなさにいつも憤慨していた妻の父やコンプレックスを感じてしまう妻にうんざりし、妻を事故に見せかけ瀕死の重傷を負わせる。妻は死んだことになってしまうが、事故の起こった海上から手術を経て復活する。ストーリーは復讐劇となっているが、「妻の死後」夫がとってきた態度によって復讐を決意するのであって、闇雲に夫に仕返しをするという話ではなく、その分、じっくりと映画の展開を辿る面白さがある。

妻が死んだことを機会に、夫は子供に冷たく接するようになり、妻の父を老人ホームへ追い出し、自分の働く会社の社長の娘を新しい女にしようとたくらむ。おそらく、自分たちの子供に愛情をもって接していれば、ブリジット・リン扮する妻が夫を殺す決意をすることはなかっただろう。しかし、夫が子供を酷く扱う態度が、自分を殺そうとした彼の行動に重なったため、妻はその決断を下したのだ。

映画の最後で妻は夫にいう「あなたが出世するために、私を殺す理由はないでしょ」という台詞は大切だ。なぜなら、人間は自分が弱いと感じていると、関係のない周りの人を傷つけるものだから。もちろん、どれほど疲れていても自信をもって頑張る必要があるという説法を引き出すこともできる。いずれにせよ、事故後に手術を経て復活するまでの展開や最後の夫婦の殺戮場面など映像的にも深刻な作品で、愛情をもっとも大切にしようとする妻の言動からは、隠すようなところのないはっきりとしたメッセージが作品から伝わってくる。

(2004年12月27日)

受賞

関連リンク

関連商品

DVD

奪命佳人|価格:US$ 12.99|リージョンコード:ALL|映像信号方式:NTSC|発売日:2003年8月29日|言語:広東語、北京語|字幕:英語、中国語8繁体字)、中国語(簡体字)