追憶の上海(1998年、中国)

原題:紅色戀人|英題:A Time To Remember|監督:イエ・イン(葉纓)

簡単には想像したくない人間関係が絶妙なバランスで展開されている名作。

キャスト

みどころ

革命家ジンを中心に、メインの人物となる4人をそれぞれ2人ずつに組合わせて描いており、その設定が崩れそうでなかなか崩れない、いわば「もどかしい」展開になっている。典型的なのは、メイ・ティン扮する左翼の少女と、その父親で中華民国の警察のボスをしている親子の確執だろう。

この親子は9年間会っていないという設定のもとで、直接二人が対面して喧嘩するという場面は出てこず、父親が頻繁に娘を思い出すということだけしか描かれないのだが、父親の結末に象徴的なように、当時の不安定な人間関係が手探りの状態で展開されているといっていい。この作品の「もどかしさ」は、背景設定と人物配置によって通常の人間関係を非日常のものへずらすことから起因している。その異化作用が見事に展開されている以上、この作品は名作といえる。ジンを演じるレスリー・チャンの演技がここでも嵌りきっているのはいうまでもない。

この作品は、中国人どおしの戦争(つまり内戦)が不毛なものとして描かれている政治的・歴史的な問題ともとれる。戦後に中華人民共和国政府が政治的にとても慎重な態度を持ってきた理由がよく分かる。

(2004年11月20日)

受賞

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DVD

追憶の上海|価格:¥4,935(税込)|DVD (2003/03/21)|リージョン 2(日本国内向け)|NTSC|カラー|字幕スーパー|松竹